みんなは斎藤さんと言われたら何を思い浮かべるんだろう
僕は中学校時代の苦手だった数学の先生を思い出す。みんな仲良ししようねオーラが苦手だった。
もちろん仲良くするに越したことはないんだろうけど、それでも仲良しグループの派閥は必然だし関わらないことで得られる平和はイジメを回避することができる。
イジメって相性が合わない人が無理やり関わるから起きると思うんだよね。
そんな風に闇雲に人と関わる事が嫌いな僕はコロナによる自宅待機に飽きてしまい、正直寂しくなってしまった。
バイトもしてないし、家にあるゲームもやりすぎて暇。
お前就活やれよ。と自分でも思うが、コロナのせいで今年の採用様子見になったりエントリーシートの提出期限が延びたりして、やる気が起きない。
何か新しいことをやりたい…
そう思ってYouTubeを見ていると、中学校時代に流行っていた音楽(フジファブリックの「銀河」)を見つけた。
懐かしいなぁ〜と思うと同時に昔の記憶が蘇ってきた。
ここで冒頭に書いた斎藤先生を思い出し、連想ゲーム的にとあるアプリを思い出す。
無料アプリ「斎藤さん」だ。
人と関わるのは最低限で十分だと思っている自分には無縁のアプリ。
しかし、今回の休みでのあまりにも暇な環境と寂しさが僕を変えてしまった。
アプリをダウンロードしてみた。
アプリを開く前の「斎藤さん」のイメージは、「匿名で電話ができて見知らぬ人と会話する。現代版テレクラ」そんなイメージがあった。
アプリを開いてみると
こんな画面が出てきてアカウントを作った。
プロフィール設定がある。
え?電話するだけなのに出身地(県)とか一言コメントとか聞くの?
まぁいいや
テキトーに書いてテキトーに名前をつけた
いざ!電話!!!
と思ったら
いや、機能多くね?
斎藤さんは電話するだけじゃなく知らん人のライブ配信が見れたり知らん人と2人プレイのゲームをしたり、そのゲームを作ったり、カラオケしたりが出来るんだね。
ふーん🙂
想像したよりも健全だな
友達を探すってなんだろうちょっと押してみよう
コレだよ!コレコレェ〜😊
こういう汚いのが見たかった。
黒線は斎藤さん内での電話番号
全世界のPTAの敵がこの中にある感じたまらん
とりあえずライブ配信(ハンカチ中継)覗いてみた。
どうやら顔出しアリとナシでの配信が出来るらしい。
時間帯のせいか(平日の昼間)顔出ししてる人はマスクしながら歌ってる女子だけであとは全員顔出ししない配信だった。
顔出しナシの配信を見てみると、コロナへの政府の対策に不満を語るオジサンが視聴者のコメントにブチ切れしてたり、パソコンの性能語ってた人が「あ、アマゾン来た」って言って配信をブツリとやめたりなどゆったりとした時間が流れていた。
まぁとりあえず匿名電話やってみるか。
変な広告は置いといて、電話にも顔出しアリとナシの2種類があるようだ。
もちろん顔出しナシを選択。
こんどこそいざ!電話!
スイッチを押して通話が始まる。
音がしない。どうやらマナーモードだと音が出ないらしい。通話アプリなのに…
マナーモードをオフにしてみると「プ・プ・プ」と番号入力のような音が聞こえてきた。
通話スタート
こういうのって初めになんて言うのが正解なんだろう
「こんにちは〜」で始めるのはキモいな。「どうも〜」で始めるのはキモいな。
様々な事を考えて1つの結論に行き着く。
「あ」
呟こう
そのあとのは相手のノリに任せよう。そう考えた。
そうして通話が始まった。
「あ」
予行練習通りに挨拶をする
ティンティロリーン♪〜
通話が終了した…
再現性は非常に高い。7回くらい連続で
「あ」→即切りが続く。
これじゃあ時間潰せないじゃん…
どうやらプロフィール画面の判子の数というのが通話した回数になっているらしく、何回チャレンジしたかがすぐ見える。
8回目で奇跡が起きた。
僕「あ」
高い声「こんにちわー!!!」
僕「え!?!?!?」
会話できちゃう!?
僕「僕、今日このアプリ入れたばっかりなんですけど、『あ』って呟いたら即切りされるのばっかりでもう諦めようかと思ってたんですよ!!!」
つい早口になる
どうやら2人組の男子小学生のようだ。
「今何やってるんですかー?」
質問が来る。(いや、斎藤さんやってんだろ…)と思いながらもびっくりして敬語で反応する。
僕「スマホの前で座ってます〜」
👬「僕ら2人でpupgやってるんですよ〜!」
ながら斎藤さんかぁ。上級者だなぁ。
その後
👬「好きなゲームってなんですか?」
僕「Jスターズビクトリーバーサスって言うゲームが好きですよ」
とか
👬「好きなYouTuber誰ですか?僕らフィッシャーズ好きなんですよ!」
僕「あんまり見ないんですけどバーチャルおばあちゃん かなぁ〜」
絶望的に会話が噛みわないが、向こうが合わせようとしてくれているのがとても伝わってくる。
いい子たちだなぁ(ホロリ
他にもどこの県に住んでるとか年齢とかの会話をする。
ここで爆弾が投げ込まれる。
👬「じゃあ!じゃあ!今好きな人っていますか?」
今思えば好きな芸能人でも答えればよかったかもしれない。
だが、僕はバカ正直に身の回りの話をしてしまった。
僕「僕、大学で友達全然作れなくて、女子との会話も全然ないんですよ〜。だから今好きな人いないんです。」
👬「寂しくないんですか?」
僕「高校時代の友達がみんないい人ばっかりでまだ一緒に遊んだりするんで全然寂しくはないですよ!」
👬「へぇ〜」
なんかスイッチ入っちゃってどんどん言っちゃう。
「小学校中学校は勝手にクラスの女子と会話するし、しなきゃいけないこともあるけど、高校大学と上がるにつれて、自ら行動しないと人と交流しなくなっていくんですよ。だから今いる友達はほんと大切にした方が良いですよ!」
早口で好きあらば自分語り
この話題はまずいと思ったのか話を変えてくれた。
👬「そうだお兄さん!僕らこれからモノマネするんで、うまいと思った方教えてください!」
ミッキーマウスの「ハハッ!」ジャイアンの「おい!のび太!」IKKOの「どんだけ〜」が繰り出される
けっこう芸達者で上手。僕も負けじと千と千尋の神隠しに出てくる青蛙のモノマネをする。
笑ってくれてよかった。
その後
👬「歌歌うんで、どっちが上手だと思うか教えてください!」
アカペラが始まった。曲は鬼滅の刃のアレ(曲名知らん)のサビの部分
1人目が終わると「どうでしたか?」と聞いてきたのでIKKOのモノマネの「どんだけ〜」
をぶち込む
笑ってくれてよかった。さぁ2人目だ。と思ったら時刻がキリの良い時間になっていた。
どうやらお開きのようだ。
僕「いやぁ、ありがとうございました。楽しかったです。」
👬「ありがとうございました!こんなに楽しかったんだから僕たち友達になりましょう!」
僕「ありがとう!」
バイバーイ
なんて優しいんだ
汚い場所でとっても綺麗なものを見た。
おわり